TDA1543を使ったUSBヘッドホン出力の工作

 USB-I2S変換にPCM2706、DACにTDA1543、ヘッドフォンアンプにNJM386を使って、PCオーディオ再生用にUSBヘッドホン出 力を作ってみた。PCM2706とその周辺は、デジット社のUSBオーディオキット改造して使用した。個人的には、BB(Burr-Brown)社系のDACの音質は好きではない。 そこで、もとPhilips社の古いTDA1543、電流出力型のDACをつかって、昔ながらの音がでるようにしてみた。


今回作ってみた回路図:



 定数が足りない部品は、ありあわせの部品を組み合わせて作ってある。


作成して見つかった問題点:
 
・アンプ用に使っているNJM386の残留ノイズが悪く、ボリュームの音量 が零でも、ヘッドホンからノイズが聞こえて気になる。しかたなく、1ピンと5ピンの間にコンデンサーを通じて10KΩの抵抗を追加して、利得を下げてい る。(利得の計算式は不明だが9倍のようだ。)まだ、ノイズ音が残っているが、10KΩが発振しないための限度値のようだ。コンデンサーがない と、出力DC電圧レベルが中点電位より低下して、ダイナミックレンジが失われる。
結局、自分の使っているヘッドホンにあわせて出力に直列20Ωの抵抗を入れて音が小さめにるように調整してしまった。(普通の音に近づいたかな)。
・NJM386の電源ON/OFF時に発生するポップノイズが気になるので、リレー回路を追加してみた。起動時に、まだ少しポップノイズが出ているけれども、我慢かな。
・TDA1543自体は、オーバーサンプリング方式のDACではないので高い周波数のマスタークロックが不要で、単純にLRCKのタイミングで電流出力を スイッチしている。電流スイッチ切り替え時の波形が少しなめらかになるように、TDA1543の出力の8ピンと6ピン とGND間にそれぞれにコンデンサーを入れてある。
⇒オーバーサンプリング方式のDAC回路も作ってみた(回路図)。
何か少し変な音だな。
PCM2706はDAC用のクロックをADAPTIVEで作成しているので、へんてこなジッターが発生して音質の劣化を懸念あり。
SH-2マイコン基板を使って実験的にジッターを無くした音も聞いてみた。やはり、ジッターがない方がよい。音の土台がしっかりしている。

設計の参考になる資料


警告
(1)VBUSがGNDとショートするとPC側が破壊される危険があります。回路上にポリスイッチを追加しましたが、安全を保証するものではありません。

免責
(1)回路図やプログラムやデータの使用により、使用者に損失が生じたとしても、 その責任 を負いません。

(2)回路図やプログラムやデータにバグや欠陥があったとしても、修正や改良の義 務を負い ません。