声道の管モデル
フォルマントから口腔内の断面積を求める
- "DRM (Distinctive Regions Model)" 3つのフォルマント周波数の高低を調整する8個の組み合わせに対応した長さをもつ8個の区間を使うようだ。(Carre and Mrayati, 1992)
- "Estimating area function of the vocal tract from formants using a sensitivity function and least-squares" 従来の、フォルマント周波数への断面積の影響を示す感度関数に、
ある評価値の最小2乗法を導入して、計算量や解の妥当性を改善しているようだ。国内での研究例(2013年,九大など)
- "Determination of the Vocal-Tract Shape from Measured Formant Frequencies" フォルマントから口腔の断面積を推定する問題は古くから行われていたようである。
当時から解が一つに決められないこと(類似したフォルマントを出す断面積の候補が複数ある)問題だったようである。(Mermelstein, Bell研,1966)
過去の基礎研究
- "Speech Analysis Synthesis and Perception" 音声発生の(初期の)基礎研究。発声のための声道の断面図、子音の研究もある。乱流による音(空力音)など扱いが難しいものもあり、子音のモデル化は母音ほどはうまくいっていないようだ。
- "The Acoustics of Fricative Consonants" 摩擦音の発生の仕組みの研究。声道の狭くなっている箇所(constriction)だけではなく、そのさきにある障害物obstacle(歯)の効果も重要であると主張する。
近年、スーパーコンピュータ京を使った、歯茎摩擦音/s/と/sh/の発音に関する流体音響シミュレーション(2018年,大阪大,医学応用)
- "鼻音性に寄与する音響的特徴に関する研究" 鼻音性の知覚は、極零対を含むかどうかよりも、母音スペクトルからの形上の偏差によって規定されるとの指摘あり。
改版 2019年3月16日