<構造式 exp・sin>



波形を2つの波の伸張と減衰から成る構造式へ展開することを考えてみよう。

2つの波の伸張と減衰から成る構造式として以下の形を考える。



この構造式の意味は、
2つの波から構成され、Xi(3)はひとつの波の周期を示す正の数で、また、
Xi(7)は2つの波の周期の差を示す正の数とする。Xi(4)はひとつの波の位 相、Xi(8) は2つの波の位相の差を示す。
Xi(1)とXi(5)の符号は、波が伸張または減衰しているかを示す。符号が正の場合は伸張を、負の場合は減衰を示す。
Xi(2)とXi(6)は波の振幅の大きさを示す正の数である。(正確には、振幅の大きさはexp(Xi(*))との積である。)
Xi(9)は 見かけ上 直流成分に相当するオフセット量である。

引数iは時間の経過を示す引数である。
例えば  振動力がじょじょに弱くなり周期がだんだん長くなる場合、i が1,2,3の順番で時間が進んで行くことを表すとすると、


となる。


連続的な、波形の構造のポーションは、伸張ポーションと減衰ポーションと通過ポーション(トランジット transitポーション)の3つからなり、トランジットポーションは場合によっては存在しないこともある。


下図は、帯域通過フィルターをとうした音声の波形の一部を、この構造式に当てはめた例である。直感的に分かりやすいように、推定計算された構造式の中の周 期と 位相の項はその単位をHz(ヘルツ)とdeg(360度)で書き直してある。
 



一般的に、与えられた波形から構造式を推定する計算結果には不確定性があり、係数は一意には定まらない。特に、波形の推定区間が短い場合は、部分的に当て はまってしまう解がいくつも存在する可能性が増す。


さて、この構造式にあてはめる 数値演算 ライブラリ SCILABのwindows用の バージョン4.1.2上で動く サンプルプログラム otim1.sciをつくってみた。 完成度は低く、改良が望まれるものだが 参考に のせておこう。。 プログラムの中のTYPEは、波の伸張と減衰を指定するもので、TYPE 1で波は伸張であるとし、叉は、TYPE 2で波は減衰であるとして、最適値を 計算 するためのXiの初期値を計算する。 このサンプルでは、T_DEMOを1に設定して、半自動動作のデモで起動するようになっている。







No.3   2009年2月7日