音のコントラスト


 1.説明
真空管の非線形的な効果が、音(の塊)に作用して、音(の輪郭)を目だ出せるケースがある。
この現象は単音(たとえばsin波形)に対しては無効で、調波構造をもつような、音(の塊)に対して有効である。

下図は、複数の話者と効果音から構成される、ボールゲームのナレーションの音のスぺクトログラムである。
重なっているが少し軌道が異なる山形の軌跡に、2人の話者が同時に話した状況が読みとれる。
一直線に伸びた調波構造は、人工的に作られた効果音であることが分かる。



次のものは、音の明瞭度が落ちたスぺクトログラムである。
調波構造がところどころ失われて、濃淡がぼやけてしまていることが分かる。


上記は、スピーカーからマイクまでの音の経路に起因する劣化の例である。

逆に、真空管の音は、調波構造を強調することにより、音(の輪郭)を目だ出せる効果があるのではないかと考える。 但し、調波構造を強調しすぎると混変調(歪)が増えて、音が濁ったように聞こえる(音が悪く)なるのだろう。

このスぺクトログラムを表示するのに使ったpythonプログラムです。



   以前のページ
音のコントラスト


No.12b   2020年8月29日