22KHz アナログ・ロー・パス・フィルターの作成への挑戦
目標とする周波数特性:
6次のチェビシェフ特性、通過域リップル0.25dB。
急峻に減衰する周波数特性を期待する。
実際には、2次のフィルターを3個 直列接続して 6次のチェビシェフ特性を構成する。
下図は、3個の2次フィルター、フィルター1とフィルター2とフィルター3のそれぞれの周波数特性と、それらを全部
直列接続したときの総合特性(6次の
チェビシェフ特性)である。但し、実際に作った回路の特性と理論値は一致しないところがある。
今回作ってみた回路図:
作成して見つかった問題点:
・期待するQ値をもつ ピーク利得が得られない。
・通過域リップルは理論値より大きくなる。 ☆コンデンサーの容量を調整しても
20~20KHzの帯域で-0.5dB~+0.5dBはある。
・遮断周波数より高い周波数(例えば55KHz)なのに減衰せず増幅に転じてしまい、遮断域で期待する減衰量が得られない。(例えば-65dBまでしか減
衰しない。何故?) ☆サレンキー回路のOPアンプの影響度を少なくするため、フィルター3のコンデンサーの値を一桁小さくして(-
88dB@100KHz)まで改善したが、残留ノイズを減らすため入力抵抗を小さくしたくなったため、結局、フィルター3は多重帰還型に変更。
・入力ショートしても残留ノイズが大きい。 ☆外来ノイズを遮蔽するため金属(金属はGNDに接続)で囲って、叉、フィルターの順番を変更してより高いQ
のピーク
利得をもつフィルターを回路の前段に移動してみた。(電
源電圧か
らきまる許容振幅電圧があるので、大きなレベルの、ピーク周辺の周波数の信号は歪んでしまう弊害があるがやむ終えず。電源+12V/-12Vのとき
20KHzでだいたい1.5V max) 初段のフィルター3の入力抵抗の
低減。など行っても、まだ、16uV(測定器側の20KHz LPF ONで)ある。
・100KHz以上の周波数での減衰特性が悪い。例えば、400KHzでは-60dBぐらいしかとれない。数百KHz~を除去する目的には減衰量は不足ぎ
み。
今回は、あまり上手くいっていない様子である。
■設計の参考になる資料
■警告
(1)上記に記載した減衰量や残留ノイズや利得の暴れ(通過域リップル)などの値
は、参考値であり、値を保障するものではありません。本回路のできぐあいを説明するため、参考として記載しました。
(2)部品の周波数特性(特に、コンデンサ)や部品の配置や配線などにより、特性
は変わる可能性があります。一般的に、周波数がより高くなるほど、より考慮した実際の設計が求められます。
■免責
(1)回路図やプログラムやデータの使用により、使用者に損失が生じたとしても、
その責任
を負いません。
(2)回路図やプログラムやデータにバグや欠陥があったとしても、修正や改良の義
務を負い
ません。